ウインクで乾杯』(ウインクでかんぱい)は、東野圭吾の推理小説。祥伝社から1988年10月に『香子の夢―コンパニオン殺人事件』の題名でノン・ノベル(新書)版が刊行され、1992年にノン・ポシェット(現祥伝社文庫)版が刊行された際に改題された。

あらすじ

パーティコンパニオンの小田香子には大きな夢がある。800万円ぐらいの品物を、カボチャを購入するような気軽さで、「ポンと買いたい」のだ。そのためには、玉の輿に乗らねばならない。資産家との出会いが多いこの仕事は、彼女の夢を叶えるに、お誂え向きの条件を整えていた。

チャンスをうかがう相手、不動産会社の御曹司である高見からの誘いを受け、狂喜する香子。だが、望ましい展開には至らなかった。同僚の牧村絵里が、遺体となって発見されたためである。絵里は、ホテルの一室で、青酸化合物の入ったビールを飲んで息絶えていた。現場が密室状態であったことから、警察は自殺と判断するが、捜査陣の一員である芝田は釈然としない印象を持ち、独自の調査を開始する。

そんな中、新たな事件が発生した。絵里の親友が、自宅マンションで、扼殺死体となって発見されたのである。

登場人物

コンパニオンと関係者

小田香子
主人公、パーティコンパニオン「バンビ・バンケット」に勤務する。24歳。
米沢
香子が所属する「バンビ・バンケット」の営業社員。
牧村絵里
「バンビ・バンケット」勤務、香子の同僚。ホテルの一室で、青酸カリによる中毒死体となって発見。
江崎洋子
「バンビ・バンケット」のチーフコンパニオン。
浅岡綾子
「バンビ・バンケット」勤務・香子の同僚。
真野由香利
フリーのパーティコンパニオン、絵里の友人。
角野文江
「バンビ・バンケット」勤務。
丸本久雄
「バンビ・バンケット」の社長。

高見不動産

高見雄太郎
高見不動産の元社長。名古屋で伊瀬耕一に殺害された。
高見礼子
雄太郎の娘。
高見康司
雄太郎の実弟。兄の没後、高見不動産の社長に就任。
高見俊介
高見不動産の専務。

華屋

西原正夫
日本全国に支店を持つ宝石店「華屋」の社長。
西原昭一
正夫の長男。華屋の副社長。
西原健三
正夫の三男。

警察関係者

芝田
警視庁捜査一課の刑事。30歳前後で、背が高くて色黒。香子の住むマンションの隣に引っ越してきたが、多忙で荷物の整理が進まない。
直井
警視庁捜査一課の刑事。芝田より年上で、妻子持ち。
坂口
警視庁捜査一課の係長。あだ名は「豆狸」。
松谷
警視庁捜査一課の警部。芝田・直井の上司。
加藤
築地警察署の刑事。

その他の人物

牧村規之
牧村家の長男。絵里の兄。
伊瀬耕一
画家。名古屋で絵里と恋仲だったが、3年前に高見雄太郎を殺害して自身も自殺した。

書籍情報

  • 新書:『香子の夢―コンパニオン殺人事件』、1988年10月1日発売、ノン・ノベル、ISBN 4-396-20275-X
  • 文庫本:『ウインクで乾杯』、1992年5月20日発売、ノン・ポシェット、ISBN 4-396-32263-1

テレビドラマ

1989年12月5日に日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」枠で、単発2時間ドラマとして放送された。

キャスト

  • 小田香子 - 賀来千香子
  • 高見俊介 - 速水亮
  • 真野由加利 - 黒田福美
  • 深谷絵里 - 岩本千春
  • 西原健三 - 峰竜太
  • 丸本久雄 - きたろう
  • 江崎洋子 - 日向明子
  • 深谷幸江 - 岩本多代
  • 加藤刑事 - 藤岡重慶
  • 芝田順平 - 川野太郎
  • 函館西署刑事 - 粟津號
  • (友情出演) - 中村幻児
  • 守田比呂也、重久剛一、山本ゆか里、西慶子、小野砂織 ほか

スタッフ

  • 企画 - 小坂敬
  • 脚本 - 佐伯俊道
  • 演出・プロデューサー - 田中芳樹
  • 音楽 - 大谷和夫
  • 函館ロケ協力 - 函館市、恵山町観光協会、日本航空 ほか
  • 技術協力 - フォーチュン
  • 美術協力 - 美建興業、高津装飾美術
  • MA - テレトップ
  • プロデューサー - 平松弘至
  • 制作 - 国際放映
  • 製作著作 - 日本テレビ

脚注

出典

外部リンク

  • ウインクで乾杯 - 祥伝社

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スペイン語で「乾杯」の言い方3つ!各表現の意味や発音は? 万物の宝庫南米

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