集団的解雇(しゅうだんてきかいこ, Collective Redundancies, Collective Dismissal)とは、関係する個々の労働者に起因しない理由で雇用者が行う解雇であって、その人員が一定数を超えるものである。整理解雇、レイオフのひとつ。
すべてのOECD諸国(チリ、イスラエル、韓国、メキシコ、ニュージーランドを除く)は、集団的解雇には個別的解雇よりも厳しい雇用保護規制を課している。チリ、イスラエル、韓国、ニュージーランドでは、個別的解雇と集団的解雇を同じとして規制している。メキシコは例外であり、法では経済的理由による解雇は、個別的解雇では許可されておらず集団的解雇のみが許可されている。
欧州連合
欧州連合の1998年集団的解雇指令(98/59/EC)においては、90日間で20人以上(加盟国によっては30日間で10〜30人と指定できる)の従業員を余剰人員理由により解雇必要があると判断する場合において、すべての雇用者がその従業員に対して従う義務がある手続きと警告を定めている。
なお、有期労働契約、公的機関、海上船舶の乗組員においては適用されない(第2条)。
これに該当する場合、雇用者は以下を行う義務がある。
- 労働者の代表との間で、協議を開始(第2条1)。これは集団的解雇を回避するか、影響を受ける労働者の数を減らす方法と手段についての協議が含まれ、解雇された労働者の再配置・再訓練支援おこなう社会的措置を利用することで、影響を軽減することを目的とする (第2条2)。
- 予想される集団的解雇について、書面で公的機関に通知(第3条1)
日本
日本では、事業規模の縮小その他の理由による解雇の人数が一定数を超える場合には、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づき、再就職援助計画を作成して公共職業安定所の認定を受けるか、大量雇用変動届を公共職業安定所に提出する必要がある。
なお再就職援助計画の認定の申請をした事業主は、当該申請をした日に、大量雇用変動届の届出をしたものとみなされる(第24条5項)。
大量雇用変動届
1か月以内に30人以上の集団的解雇を行う場合、大量雇用変動届をハローワークに提出する必要がある。
再就職援助計画
脚注
関連項目
- レイオフ
- 雇用保護規制




